飄々図書室

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月間10万PVを目指す人のための!個人ブロガーのウェブライティングの定石5箇条

      2017/10/13

月間10万PVを目指す人のための!個人ブロガーのウェブライティングの定石5箇条

Photo by JoshArdle Photography

 
 2016年末の「WELQ事件」はそれまで常識とされてきたウェブライティングのあり方をガラリと変えることとなったと個人的に思っている。

 
※WELQ事件とは
 上場企業であるDeNAが運営していたWELQをはじめとする複数のキュレーションサイトと称する情報サイトが、強固なSEO施策によって根拠不明な健康情報記事やパクリ記事を多数検索上位に送り込んでいたことが世間の非難を買った事件。ライターがマニュアルに沿って執筆した記事を安値で買い叩いていたことも弾劾の対象となった。

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 WELQの戦略は無個性で無責任な内容の記事を量産し、検索エンジンの瑕疵を突いたSEO施策の力技によって幅広いキーワードにおいて検索上位を独占することであった。それが上場企業のやり方として不適切であるとして世間の怒りを買ったのである。

 これ以降、検索エンジンに対する世間の信頼も失墜した。ITリテラシーの高い人は特定のキーワードで検索すると信用ならないアフィリエイトサイトが検索上位を独占してしまっていることを知っていたが、WELQ事件によってそれが世間の一般的な人までも「検索は信用できない」と思い始めてしまったということだ。

 Googleの事業の核は検索エンジンである。つまり、検索に対する信頼の失墜は大きな打撃である。従ってGoogleは翌年、俗に言う「フレッドアップデート」と言われる検索アルゴリズムの改良によって信頼ならないウェブ記事の検索順位を下げる施策を施した。

 さて、私たちブロガーはここから何を学んで、どのようにして自身のブログやウェブサイトを成長させていけばいいのだろうか、という問いへの私なりの戦略が本稿の論旨である。

 

ウェブライティングの2つの核

1. 検索エンジンへの対策

 ブログを資産とするためには検索流入を意識し、拡大させていく必要がある。ブログ運営の戦略にも様々あるけれど、SNS流入に依存するウェブサイトはSNSでバズを起こしてPVを稼ぐために次から次へとネタを仕掛けていく必要がある。逆に言えば、記事を次から次へと休みなく仕掛けなければ安定したPVがもたらされないということである。

 それに対して検索流入の比重の多いサイトにおいては、高い検索順位が確立しさえすれば黙っていてもそれなりに読まれる。誰かが勝手に検索して、そこにある記事を読んでくれるからである。私の運営する複数のメディアも99%が検索流入であり、かつて1ヶ月間更新しない時があったけれど、アクセス数は減らないどころかむしろ増えたくらいである(過去に書いた記事が検索順位を上げたため)。

 2014年に大ブームを起こした「バイラルメディア」という形式のメディアはまさにSNSによるバズを目的として運営されていたサイト群であるけれど、現在、全くの下火である。おそらく、労力に比して儲からないからであると推測される。このことからもアクセスをSNSに依存するよりも、検索流入を狙ったほうが堅実であると私は考えている。

 Googleの方針は変わらない。「コンテンツ・ファースト」である。つまり、「読者のニーズを満たし、役に立つ記事を配信すれば検索順位は自然と上がるよ」ということを言っている。つまり、検索エンジンへの対策は「記事の質を高める」に集約される。業者によるSEO施策やブラックな手法を使う必要なんて全くない。「読者にとって役に立つ記事を書く」それだけが唯一の対策である。

 

2. 読者への対策

 WELQ事件以降、これからは個人ブロガーが有利な時代になると声高に叫ばれていた。綺麗に体裁が整えられたサイトであっても信用できないことがWELQによって明らかになってしまったからである。世間の検索エンジンへの不信感が高まった結果である。

 企業が莫大なお金を投じて綺麗に作ったサイトよりも、個人ブロガーが個人の体験を綴った情報のほうが信頼に足ることに世間は気づいた。それは幾つかの検索キーワードの予測候補において「○○+ブログ」と検索している人が多いと示されることがあることからもわかる。一般的な情報やキュレーションメディアの情報が欲しいのではなく、ブログを書いている人の個人的な感想を知りたいということの表れである。

 企業や専業アフィリエイターは莫大なお金を投じてサイトを構築する強敵だけど、私たちのような弱小個人ブロガーにしかできないこともある。その強みを生かすことで強敵と戦わずにアクセスを伸ばすことができるのである。

 

個人ブロガーのためのウェブライティング5箇条

 下記で示していくのは私の文章の書き方である。特別な訓練を受けたわけでも職業ライターでもないけれど、それなりのPVを稼ぎ、アクセスを伸ばし続けている私のやり方である。特段変わったテクニックを使っているつもりはない。私にとっては基本であり根底にある信念みたいなものだ。

 巷にはウェブライティングの本や記事が溢れているけれど、はっきり言ってWELQ事件以前のものは全て役に立たないと言っていいだろう。なぜならそれらはWELQのような体裁だけが綺麗で内実のないサイトを作るためのお手本だからである。

 WELQのような没個性の文章を書いてももはや何の意味もない。個人ブロガーが学ぶべきはそこではないと私は考える。

 

1. 「私は」をあえて使う

 ウェブライティングの教本には「『私は』という主語を入れて文章を書いてはいけない」とされているものがあるが、それはもはや古い常識である。言うまでもなくWELQ事件以降においては、検索エンジン対策としても読者に信頼してもらうためにもウェブ上の文章は「誰が書いたのか」が重要視されるようになったからである。

 誰が書いているのかわからないような当たり障りのない文章はまず読まれないし、検索上位に位置することはないと断言していい。

 求められているのは「個人の体験談」や「個人の感想」である。ただ、独りよがりになって主観だけで書いた記事は全く面白くない。「私は」という主語は、弱すぎれば没個性的な文章になり、強すぎればアクと自己主張が目立つ文章になってしまう。

 私が最もバランスが良いと考えており、自分のウェブメディアにおいて多くの成功例があるのは、事実やエビデンス、一般的なノウハウと共に「私の意見」や「私の体験談」を差し挟むことである。

 サプリメントの記事であれば、効能、その科学的根拠、一日の摂取量、副作用などをきちんと調べた上で書き、服用してみた自分の感想を差し挟むこと。転職の記事であれば、転職の手順やセオリーなどと踏まえた上で、自分の体験談も記述すること。

 ウェブにおいて検索エンジンにも読者にも高く評価されるのはオリジナリティのある記事である。誰一人として同じ人生はない。自分の体験というのはそれだけでオリジナリティのあるものなのだ。従って「私は」を敢えて差し挟むことによってその記事のオリジナリティを高めることができる。

 

2. 「思います」をあえて使う

 同様にして、殆どのウェブライティングの本には「『〜と思います』との文末表現は避けよ」と書いてある。「思います」だと自信なさげな印象を読み手に与えてしまうからである。

 加え、「思います」は非常に便利で当たり障りのない表現であるので、気づけばほぼ全ての文末が「思います」で占められてしまうことがある。それは多様性や意外性、リズムに欠ける何の面白みもない文章である。読者は意外と敏感だからそういう記事からはすぐに離脱してしまう。おおよそ知識のないジャンルの記事を書こうとする際、自信のなさが文章にも現れてしまい、私もつい「思います」を多用してしまうことが往々にしてあった。

 但し、全ての「思います」が悪というわけではない。何の考えも戦略もなしに便利な言葉だからと無意識に「思います」と用いているのは悪文であるというだけである。

 先述の通り、ウェブ上において個人の体験談が重視される時代である。であれば、「断定まではしないけれど私はそう考えている」という程度の意味での「思います」は有効である。ただ、多用は自信のなさと受け取られるので、一つの文章に付き1回か2回を限度にすべきかと個人的には思う。

 また、「思います」を他の言葉で言い換えて提示することは文章のリズムを作る上で極めて有効な戦略である。「考えています」「感じています」「実感しています」などを駆使し、細やかな配慮で書かれた文章は卓越した説得力を持ち、完読される可能性が高い。

 

3. 文語表現・難しい言葉を敢えて使う

 「誰でもわかる、例えば幼稚園児でも理解できるくらいの平易な言葉を使って文章を書きましょう」とあらゆる文章の教本には書かれている。これには100%同意する。読みやすい文章が一番だ。

 しかし、私は敢えて平易な言葉で書くことをしていない。「です・ます調」ではなく「だ・である調」で敢えて書くこともある(本稿もそうである)し、日常会話で使わないような言葉や熟語、言い回しを敢えてどんどん使っていく(よく使うのは「跋扈」「瑕疵」「唆す」などであると自認している)。

 誰でもわかる易しい言葉で文章を書くことがユーザビリティの向上に繋がるのはわかっているけれど、私が敢えてそうしないのは、個性を出すためである。私は読者に意地悪をするために「瑕疵」だなんて言葉を使っているわけではない。私が文章を書いている流れでその時に思い浮かんだ単語が「瑕疵」だったから「瑕疵」とそのまま書いているというただそれだけのこと。あるいは、非日常の言葉が使われていることによって権威性を増すことができるかもしれないという打算もある。

 個性を出すことは非常に重要なことである。リピーターの獲得に繋がる最も重要な要素は個性・オリジナリティであることは言うまでもあるまい。私にとっての個性の出し方は上述したように「敢えて堅苦しい言葉を残しておく」ということなのだ。易しくて優しい文章が溢れるウェブ上において、それだけで大きな個性になっていると私は考えている。

 もちろんこれは私のやり方である。それぞれ自分なりのやり方でオリジナリティを発揮することが要請される。

 

4. ボキャブラリー豊富に書く

 多様な言葉や何通りもの表現を用いて文章を書くことである。

 前述の「思う」を「考える」「感じる」「実感する」と言い換えるというのはまさにこのことである。あるいは同じ文章の中でキーワード以外は同じ言葉や表現を二度は使わないこと。「文章を書く」という言葉も「文章を作る」「文を作成する」「原稿を書き上げる」「記事を執筆する」など多様な表現で言い換えることができるだろう。

 また、「瑕疵」という言葉を敢えて使うと書いたけれど、一つの記事の中で「瑕疵」だなんて訳の分からない言葉を何度も読まされたら読者だって辟易してしまうだろう。であれば、似たような意味の別の言葉に言い換える。「欠損」「手落ち」「不備」など、多様な言葉で文章を彩ること。

 ボキャブラリー(語彙)豊富に文章を作り上げることは2つの意味がある。

 一つは検索エンジンに多様な言葉で引っかかりやすくすること。俗に言う「ロングテール」というやつだ。文章の書き方で困って検索する人が「文章の書き方」というワードでだけ検索するとは限らない。「文書の作り方」で検索する人もいるだろうし「ライティングの技術」で探す人もいるだろう。ボキャブラリー豊かに文章を書くということはそれらの潜在的に多様なニーズに対応するということに他ならない。

 もう一つは文章のリズムである。優れた文章とは完読される文章である。完読される文章には読者を飽きさせないための工夫がある。言わばリズムやスパイスとでも言うべきものである。美味しくないラーメンは途中で飽きてしまって完食できない。だけど美味しいラーメンは満腹でも無意識に箸が進み、いつの間にか完食している。

 豊富なボキャブラリーによって文章を彩ることは、多様な素材を複雑に絡ませて味に深みを与え、完食してもらうラーメンを目指すことと同義である。

 

5. とにかく競合記事よりも詳しく書く

 特にハウツー記事や商品紹介記事を書く場合は、他者が書いているブログ記事よりも詳しく書くことは大変に重要である。その記事一つを読めば全容を把握でき、疑問が全て解決できるレベルが望ましい。

 前で少し触れたけれど、サプリメントの記事であれば「効能、その科学的根拠、一日の摂取量、副作用などをきちんと調べた上で書く」こと。いちいち調べたり検証したり文献を参照したりすることは面倒な作業に違いない。だけど、それができるかできないかによって獲得できるアクセス数は雲泥の差になると私は考えているし、事実、私が運営するサイトにおいてはサプリメントについて詳述した記事が単独キーワードで一位になっているものが多数ある。

 とあるサイトによるアドバイスでは「キーワードで検索して1位〜20位までの全ての記事に目を通して情報を総括し、それらよりも詳しくわかりやすい一つの記事を書くこと」とあって、これは核心を突いた極めて有効な戦略である。このことを愚直に実行し続ければ1年後には物凄いサイトが出来上がっているはずである。

 とは言え、重要なことは楽しんで書くことである。最大のコツは継続することであり、継続することの最大のコツは楽しむことである。「好き」以上のモチベーションはないのだから。

 

厳選!ライティング技術を高めたい人のための推薦書籍3冊

1.『20歳の自分に受けさせたい文章講義』

 「筆が進まない」「何を書けばいいのかわからない」という人におすすめなのが『20歳の自分に受けさせたい文章講義』である。文章を書くのに気負ってしまう人は多いと思う。「よーし、書くぞ」と力んでしまうから筆が進まず、体力ややる気も必要になってしまう。

 文章を書くということはそんなに難しいことじゃないし、書くために気合いを入れる必要もないということを教えてくれる唯一無二の本である。

 

2.『マジ文章書けないんだけど ~朝日新聞ベテラン校閲記者が教える一生モノの文章術~』

 一見ふざけた本かと思われるが、そんなことはない。極めて有用な文章術の本である。

 本書のすごい点は、文章を書くことに不慣れな人がやってしまいがちなミスを「誤→正」として添削しているのだが、そのミスが本当にありがちなところである。「あー、確かに書いてるとこうなっちゃう」とか「こんな読みにくい文章見たことある」という例が満載で、手にしたその日から使える大変に実践的な本だ。

 

3.『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』

 ウェブメディア「ナタリー」の文章ノウハウが凝縮された一冊。はっきり言って、文章を書く人は本書だけは持っておくべき傑作である。他の文章術の本ではなかなかお目にかかれない上に説得力のあるアドバイスが満載である。

 その上、極めて実践的だ。例えば、「私は、」などと文の書き出し付近で「、」を打つと何か馬鹿っぽく見えるからやめたほうがいい(大意)とアドバイスされている文章術の本を私は見たことがない。事実私はよくやっていたのであり、よく考えてみると確かに馬鹿っぽいので、本書を読んで以降はできるだけ自重している。

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