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【書評】『自分を操る超集中力』メンタリストDaiGo【著】

   

自分を操る超集中力

 本書『自分を操る超集中力』は、我々が必要とする「集中力」における要点が簡潔かつわかりやすくまとめられている良書である。

 誠に申し訳ないことに、私はDaiGoという人物を少し前まで単なるテレビタレントとしてしか認識していなかった。テレビというブラックボックスの中で作り上げられた空虚な超能力者みたいな人なのだろう、と。

 

メンタリストDaiGoというやんごとなき人

 実はそうではないのかもしれないと思い直すきっかけとなったのは、同じくDaiGo著『人を操る禁断の文章術』が文章の書き方の本として高く評価され、様々な場所で紹介されているのを見かけたことによる。

 調べてみればDaiGoという人は年にかなり多くの本(2013年は10冊も!)を出版しながら、テレビへの出演、ニコニコ動画を始めとするインターネットでの活動、講演活動、特任教授として大学での講義、企業へのアドバイス、自身の会社経営、年に100万円以上かけるという読書量――、なんと質実剛健なやんごとなき人なのだった。普通の人は一日が24時間だが、このDaiGoという人は一日が200時間あるんじゃないか、と思えるほど限られた時間の中でたくさんのことを成し遂げているように見える。

 本書『自分を操る超集中力』では、人と同じ時間の中で人よりも多くのことを成し遂げるのに必要なのは「集中力」であるとし、集中力をコントロールするための技術が惜しみなく紹介されている。もちろん、DaiGoが実際に日常の中で取り入れていることが厳選して紹介されているので非常に説得力がある。

 

『自分を操る超集中力』は要点が良くまとめられた良書

 本書『自分を操る超集中力』について、どこかのカスタマーレビューにおいて「既知の知識ばかりで新しい発見はなかった」との書いてあるのを見かけた。

 確かにそうかもしれない。普段ビジネス書をあまり読まない読者であれば本書は有用なテクニックや考え方の宝庫であるが、心理術や集中力、習慣化の本を読み漁っている知識豊富な読者であれば目新しい知識は少ないかもしれない。しかし、本書の特徴的な点はそこではないと私は考えている。

 つまり、本書の特徴は「集中力」に関するテクニックや知識を一般化して提示しわかりやすくまとめあげているところにあると私は考える。

 忙しいサラリーマンが集中力を身につけて仕事を効率的に終わらせて余暇を増やしたいと考えたとき、まず役に立ちそうな心理学の論文を読もうと思うだろうか? 難しそうで分厚い本を片っ端から読んでいこうと思うだろうか? そもそも、どの知識が自分にとってどんな役に立つのか識別できるだろうか?

 多くの人は「もっと生産性を上げたい」「定時に仕事を終わらせたい」「勉強や読書、趣味の時間を一日一時間でいいから確保したい」と強く思いながらも、どうすればいいのかわからなくて結局は日常に埋没することを選んでいる。ほんの少し考え方や仕事の順序を変えるだけで一日が25時間になるというのに、その方法がわからないから惰性に甘んじているというわけである。

 そこで有用なのが『自分を操る超集中力』である。
 先述の通り、必要な情報が厳選されてわかりやすくまとめられているので、通勤時間や休み時間などに気軽に読める。難しいことなど何一つ書いていない。誰でもできることだけが書いてある。その中から、自分にとって役に立ちそうなテクニックを試してみればいいのである。
 全てを実行する必要は決してない。気になったところを取り入れればいいのである。

 本書を入門書として、ひとつのテクニックを深く掘り下げていくのもいいだろう。『自分を操る超集中力』の中では『選択の科学』(シーナ・アイエンガー著)や『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?』(ダニエル・カーネマン著)などの参考文献が示されているから、もし気になったならそちらも読んでみることによって深い知識を獲得することができる。

 

まとめ

 パーフォーマンスアップ、習慣化、集中力における心理術の良質な入門書である。

 物事を成し遂げるために、努力や根性論を振りかざすのはもはや古いし効率的ではない。考え方一つで物事を成し遂げる原動力は簡単に獲得することができるのだ。
 「仕事をさっさと終わらせたい」「先延ばしを克服したい」「集中力が続かなくてついYouTubeをだらだらと見てしまう(私のことである)」などという人におすすめである。迷っているなら読んでみたほうがいい。世界が変わるかもしれない。

 
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