俺ガイル完(3期)第11話の感想・考察その2。「お前はそれを待たなくていい」は由比ヶ浜を意図して振った言葉ではない

本稿では、俺ガイル完(3期)第11話「想いは、触れた熱だけが確かに伝えている。」における「お前はそれを待たなくていい」について掘り下げて考察していく。

結論から言うと、本稿の論旨は「比企谷は由比ヶ浜の恋心に全く気付いていない。従って、「お前はそれを待たなくていい」は由比ヶ浜を意図して振った言葉ではない」である。

それに伴って「”模造品”とは何を指すのか」「”壊れるほどに傷を付け”とはどういうことなのか」「なぜ由比ヶ浜は振られたと思ったのか」などについても解説していく。長文となっていますが、是非とも最後までご覧ください。

 
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序文:「お前はそれを待たなくていい」とは何か?

比企谷「……面倒かけて、悪いな。いつかもっとうまくやれるようになる。こんな言葉や理屈をこねくりまわさなくても、ちゃんと伝えられて、ちゃんと受け止められるように、たぶんそのうちなると思う。……けど、お前はそれを待たなくていい」

あまりにも難解であり、100人いれば100通りの考察があると思う。その上、その考察を言語化して記述することは大変に難しい。おそらく正解はない。下記は私なりの考察である。過去の考察と矛盾する部分もあると思うので、本稿は独立した読み物として楽しんで頂ければと思う。

比企谷は由比ヶ浜の好意に気づいていない

比企谷は由比ヶ浜の恋愛感情に「全く」気づいていない、という仮説を提示する。なぜそう考えたのか、理由は下記である。

1.比企谷は「感情を理解していない」

平塚先生「君は人の心理を読み取ることには長けているな。けれど、感情は理解していない」(2期8話)

「人の心理」と対比としての「感情」と示されているので、ここで言う「感情」とは「(人の)感情」のことである。

平塚先生に「感情は理解していない」と指摘されてから、比企谷が感情が理解できるようになったとわかるシーンはおそらく一つもない。俺ガイルを比企谷の成長物語としてみなすとすれば、その「成長」とは「大切なものに気付いて(2期2話あるいは2期8話)、それを自分の手で掴む(3期11話)」であり、「感情を理解できるようになる」ではないように思える。

また、大切なものに気付いたきっかけも、それを掴んだ動機も、「(人の(雪ノ下の))感情を理解したから」では当然にない。雪ノ下の感情は関係なく、比企谷が「関係を終わらせたくない」と思ったに過ぎない。だから、比企谷が人の感情を理解してるとは断定できない。

ということは、最も強くわかりやすい恋愛感情も比企谷は理解していない、気付いていないと推測されるだろう。由比ヶ浜の比企谷に対するアプローチほどわかりやすいものはない(雪ノ下もあーしさんも気付いている)が、比企谷はそれに気付いていない。高い自意識によって封じている、というのもあるかもしれないけれど、天然で全く気付いていないとも考えられる。

2.あーしさん(三浦)に「いい人だなぁ」

あーしさん「あんた、どう思ってんの?」
比企谷「なにが」
あーしさん「結衣のこと」
比企谷「……ああ」
あーしさん「あーし、別にあんたの友達じゃないし、なんでもいいんだけど。でも、結衣のことはそうじゃないから。だから、半端なことしないでくんない? そういうのムカつくから」
比企谷「善処する」
あーしさん「んだけ。じゃ」
比企谷「いい人だなぁ……」

個人的に、ここは結構重要な場面であるように思う。

あーしさんが比企谷にわざわざ忠告したのは、あーしさん視点では比企谷が「雪ノ下と由比ヶ浜を天秤にかけている」あるいは「由比ヶ浜の想いに目を背けている」「想いを弄んでいる」と映ったからだろう。原作ではあーしさんに忠告されて「少なからず自身の中でひっかかるものがあった」(14巻、P110)と比企谷は地の文で語っている。

しかし、これをもって「比企谷が由比ヶ浜の恋愛感情に気付いている」とは言えない。

比企谷が由比ヶ浜からの恋愛感情に気付いていたなら、あーしさんに指摘された際「由比ヶ浜を傷つけていたかもしれない」「気持ちに向き合うべきなのかもしれない」など、まずは自省するはずである。比企谷は由比ヶ浜のことをきちんと(友達として)大切に思っている。

しかし、比企谷は自省を全くしていない。それはつまり、このとき比企谷は由比ヶ浜からの好意を考えていなかったということを意味する。では、何を考えていたのか。比企谷は比企谷の気持ちを考えていた。由比ヶ浜からの好意について考えていたのではなく、比企谷は比企谷自身が考える由比ヶ浜との未来について考えていた。原作の「ひっかかるもの」は由比ヶ浜からの好意ではなく、比企谷自身の意志のことだ。

だから、比企谷は、あーしさんに「比企谷自身の意志についてだけ」指摘されていると思い込んでいて、由比ヶ浜が比企谷に恋愛感情があるという前提を全く考えていない。つまり、比企谷は由比ヶ浜の恋愛感情に全く気付いていないと言える。

加えて、「いい人だなぁ」である。当然ながら、比企谷にとってはあーしさんよりも由比ヶ浜の方が大切である。それにも関わらず、由比ヶ浜に対する感想ではなく、あーしさんに対する「いい人だなぁ」という感想が第一声として漏れる。つまりは、この時、由比ヶ浜の気持ちを考えていないと捉えることができる。由比ヶ浜の恋愛感情に気付きながら、あーしさんに「いい人だなぁ」という間抜けな感想を最初に持つのは、あまりにも間抜け過ぎる。

比企谷は由比ヶ浜と過ごすことを確かに心地よく思っている。だがそれは、由比ヶ浜に好意を持たれていることを動機としているのではなく、比企谷自身が自発的にそう思っている。つまり、比企谷は由比ヶ浜の好意に気付いていない。「ありえない想像をした」のところも、比企谷は居心地の良い由比ヶ浜との未来を自発的に想像している。

3.比企谷が好意に気付いているとわかるシーンがない

俺ガイルにおいては、登場人物が何を考えているのかが非常にわかりづらいので、「比企谷は由比ヶ浜の恋愛感情に絶対に気付いていない!」とは断定できない。しかし、わかりづらいが故に、「気付いていないと言えるのではないか」くらいの余白はある。

比企谷が由比ヶ浜の恋愛感情に気付いている、気付きつつあるらしいと読み取れる場面は確かにある。しかし、それらは「恋愛感情以外のもの」に代替可能である。ただ単に女子との距離が近くなって照れているとか、上で示したように由比ヶ浜の好意に気付かないままに比企谷が距離を縮めようとしているだけとか。

文化祭の「待たないでこっちから行くの」のところでは、由比ヶ浜の好意に自覚的になりつつあり、比企谷にすぐさま高い自意識のバリアが構築されたようであるが、それでも由比ヶ浜の好意に気付いたと断定するには不足している。明言されていないし、「由比ヶ浜が友達になりたがっている(と比企谷は思った)」と代替しても意味は通るからである。

これは言わば「白いカラスを見たことがないので、白いカラスは存在しない」という方法での論証である。脆弱で危うい考え方ではあるが、白いカラスが本当に存在しない可能性だってある。

「この模造品に壊れるほどの傷を付け」は「お前はそれを待たなくていい」を指し示すものではない

借り物の言葉に縋り、見せかけの妥協に阿り、取り返しがつかないほどに歪んでしまったこの関係は、どうしようもない偽物だ。
だからせめて、この模造品に、壊れるほどの傷をつけ、たった一つの本物に。
故意にまちがう俺の青春を、終わらせるのだ。

11話で比企谷が何かに傷を付けているように思われるシーンは、一見、由比ヶ浜に「お前はそれを待たなくていい」と言って由比ヶ浜との関係に傷を付けているところくらいしかなさそうだが、しかし、「この模造品に壊れるほどの傷を付け」は「お前はそれを待たなくていい」を指し示すものではないと思われる。理由は下記で述べる。

1.比企谷が由比ヶ浜を呼び出したのではない

比企谷が「お前はそれを待たなくていい」と言い放つ状況が生まれたのは、由比ヶ浜が比企谷の下校を待っていたことによる。まして、雪ノ下について話題の口火を切ったのは由比ヶ浜の「本当にこれでいいと思う?」である。

比企谷はその前のシーンで、模造品に傷を付ける決心をしている。従って、仮に「模造品=由比ヶ浜」であり、由比ヶ浜との関係に傷を付ける意志があるのなら、比企谷が自発的に呼び出すのが筋である。従って、「お前はそれを待たなくていい」という台詞が生まれたのは、故意でなく、偶発的なものと解釈したほうがいいように思う。

つまり、比企谷の「模造品に壊れるほどの傷を付ける」決心と「お前はそれを待たなくていい」という台詞は、全く関係がない。

2.由比ヶ浜との関係は終わっていない

由比ヶ浜「また学校でね」
比企谷「ああ、またな」

「お前はそれを待たなくていい」という由比ヶ浜にとっての会心の一撃らしきものが放たれた後、普通に「また学校でね」「ああ、またな」と会話を交わしていることから、彼らの関係は全く壊れておらず、今までと何ら変わりがないことが示されている。由比ヶ浜は衝撃を受けたようだが、比企谷は全く素で平然としている。

従って、比企谷は由比ヶ浜との関係を壊すとか、変えるとかということを全く意図していないように思える。

では、「この模造品に壊れるほどの傷を付け」とは何を指すのか?

「歪んだ関係」「偽物」「模造品」に由比ヶ浜は含まれているか?

比企谷はアニメ3期に入って「歪んだ関係」「偽物」「模造品」のようなネガティブな表現を多用する。果たして、その対象は何だろうか。

よく考えてみれば、歪んでいるのは「比企谷と雪ノ下」の関係だけである。「雪ノ下と由比ヶ浜」の関係が歪んだかどうかを比企谷は認識していない。9話で彼女たちを見遣って「大丈夫そうだな」と言っているので、比企谷はおそらく「大丈夫そうだな」と考えている。

「比企谷と由比ヶ浜」の関係は何も変わっていない。比企谷が由比ヶ浜に対して何らかの疑念を抱えているとわかるシーンは全くない。上で述べたように、あーしさんに直接指摘されても葛藤は生まれない。だから、「歪んだ関係」「偽物」「模造品」の中には由比ヶ浜は含まれていないのではないか。

「この模造品に壊れるほどの傷を付け」とは何か?

「歪んでしまったこの関係=どうしようもない偽物=この模造品」に「壊れるほどの傷を付け」ると「たった一つの本物に」なるらしい。つまりは「偽物→傷を付けるという名の精製→本物」という流れである。「偽物」とは上で考察した通り、由比ヶ浜や奉仕部は関係がなく、「比企谷と雪ノ下」だけの関係のことである。

「壊れるほどの傷を付ける」とは何を意味するのか。雪ノ下との関係に「壊れるほどの傷を付け」ていると観察される事象は一つしかない。平塚先生の言うところの紙ナプキンの黒塗りの部分であり、雪ノ下に本音を伝えるのではなく、「理屈」「論理」で武装してマシンガンのように自説を畳み掛けることである。

……「難しい案件だ、無理しなくていい」「俺を助けてくれ」「由比ヶ浜に、何でもない放課後にお前がいて欲しい、と言われた」「責任取りたいっていうか、取らせてくれっていうか」「手放したら二度と掴めない」「お前の人生を歪める権利を俺にくれ」「不人気銘柄だから今がお買い得だ」「俺がもっとダメになればいいだけだ」……

これらは全て「理屈」である。

なぜ「理屈=傷を付ける」と比企谷は言っているのだろうか。それは、これまで比企谷が理屈で動いてきた結果、雪ノ下との関係が傷つき、「偽物」になってしまったからである。ダミープロムは比企谷の理屈の集積である。その理念である「助けるって約束した」「責任がある」「辻褄を合わせておきたい」「男の意地」など、全て理屈である。

しかし、理屈の刃で壊れるほどに傷を付けまくった結果、その空白部分が言葉の形を取るかもしれない。

中途半端に傷を付けるのではだめだ。これまで比企谷は中途半端に理屈をこねくり回してきた。だからうまく行かなかった。だから空白部分が明瞭になるほど本気で際限なく傷で埋め尽くさなくてはならない。その空白部分が「たった一つの本物」である。

「けど、お前はそれを待たなくていい」は由比ヶ浜を振った言葉ではない

比企谷「……面倒かけて、悪いな。いつかもっとうまくやれるようになる。こんな言葉や理屈をこねくりまわさなくても、ちゃんと伝えられて、ちゃんと受け止められるように、たぶんそのうちなると思う。……けど、お前はそれを待たなくていい」

上記で、

・比企谷は由比ヶ浜の恋愛感情に気付いていない
・歪んだ関係の中に由比ヶ浜は含まれていない
・従って、由比ヶ浜との関係に傷を付ける意図はない

と考察してきた。

それでは「お前はそれを待たなくていい」の意図するところは何なのだろうか。文脈は「いつか理屈をこねくり回さなくても気持ちを伝えられるように、受け止められるようになるだろう、しかし、お前はそれを待たなくていい」である。

「面倒かけて、悪いな」とは何か?

「面倒かけて、悪いな」からわかることは、当然ながら、比企谷は由比ヶ浜に「面倒をかけている」もっと言えば「面倒を押し付けて申し訳ない」と思っているということである。比企谷視点では、由比ヶ浜が「主体性を失って」「一方的に面倒を押し付けられている」と映る。

まして、比企谷は由比ヶ浜が自分に想いを寄せているなどとはゆめゆめ思っていないから、由比ヶ浜が自分の意志で好き好んで比企谷の面倒事に付き合っているとは考えていない。

比企谷の「お前はそれを待たなくていい」の意図は?

だから、比企谷の「お前はそれを待たなくていい」は善意の言葉である。「待つ=面倒を押し付けられる」である。

奉仕部という場所は、比企谷(と雪ノ下)が「うまくやれるようになる」ための修練の場所であった。果たして、比企谷と雪ノ下は「うまくやれるようになれない」まま部活は終わった。そして、比企谷はうまくやれるようになれなかったからこそ、雪ノ下との関係が終わることを是認できない。比企谷は由比ヶ浜が自分に想いを寄せているとは全く思っていないので、単なる相談として「雪ノ下と関わりがなくなるのが嫌」と言っている。

由比ヶ浜はうまくやれる。比企谷は比企谷のやり方で「たった一つの本物」を掴もうとしている。従って、「お前はそれを待たなくていい」の意味は「部活が終わる以上、由比ヶ浜は仕事として比企谷の成長のための面倒事に付き合わされる必要はなく、主体性を持ってこれから歩んでいいんだよ」ということであり、それを比企谷は友人として誠実に言っていると思う。あーしさんに言った「善処」もこれを指すだろう。

だから比企谷は、その言葉をもって由比ヶ浜を振ったとは全く考えていない。日常会話の範疇である。

由比ヶ浜はなぜ振られたと思ったのか?

比企谷の(由比ヶ浜を振った意図はない)「お前はそれを待たなくていい」に由比ヶ浜は相当な衝撃を受け、自宅でこれまでにない規模で号泣する。

由比ヶ浜はモノローグで「あたしは、(略)初めて本当に恋をした」と言っているが、これは「たった一言じゃ言えないのが恋なんだと知った=恋の辛さを知った」くらいの解釈だろうか。とにかく、これが決定的となって「失恋した」と由比ヶ浜は考えている。なぜだろうか。

由比ヶ浜は比企谷に告られるのを待っていた

由比ヶ浜は比企谷に告白できない。なぜなら、比企谷と雪ノ下の関係が「本物」であるらしいことに気付いており、由比ヶ浜が比企谷に想いを伝えるということは、抜け駆けであり、振られるリスクが高く、雪ノ下との友情を壊しかねない行為だからである。

だから由比ヶ浜は雪ノ下に譲られるがままにして、比企谷からの告白を「待っていた」と考えることができる。

由比ヶ浜にとっての「待つ」とは?

「待つ」とは由比ヶ浜にとって、過去回を参照すれば、下記である。

由比ヶ浜「あたしね、ゆきのんのことは待つことにしたの。ゆきのんは、たぶん話そう、近づこうってしてるから。……だから、待つの。待っててもどうしようもない人は待たない。待たないでこっちから行くの」(1期11話)

・話そう、近づこうとしている人は「待つ」
・待っててもどうしようもない人(=話そう、近づこうとしていない人)は「待たない」でこっちから行く

まず「お前はそれを待たなくていい」によって、由比ヶ浜は「待つ」ことを封じられた。だけど、由比ヶ浜には本来、待つことを封じられても「待たないで、こっちから行く」という選択肢もある。少なくとも1期11話の時点では「こっちから行く」選択肢があった。しかし、今はない。由比ヶ浜はこの状況において「こっちから行く」ことも封じられてしまっているのである。

なぜかというと、比企谷に友人として「雪ノ下との関係がなくなるのが嫌」と吐露されているからである。由比ヶ浜はそれに薄々は気付いていただろうけれど、はっきりと本人の口からかっこつけない本音として聞いてしまった。聞いてしまった以上、由比ヶ浜の中で、比企谷の恋愛対象は雪ノ下であると確定されてしまった。そんな比企谷に「こっちから行く」ことができるだろうか。

だから、由比ヶ浜にとっては「雪ノ下との関係がなくなるのが嫌」と聞かされただけでも大打撃であるのに、「待たなくていい」というとどめを刺されたことで、できる行動はもう何もなくなった。比企谷を「待つ」こともできなければ、比企谷に「こっちから行く」こともできない。詰んだ。号泣。

「なにそれ、待たないよ」とはどんな感情か?

由比ヶ浜「なにそれ、待たないよ」
比企谷「だな。なんか気持ち悪いこと言ったわ」

由比ヶ浜は「わかった」ではなく、「なにそれ、待たないよ」と言っている。「自分はこれまでも待ってなんかなかったし、これからも待つわけないじゃん」ということである。

つまり、由比ヶ浜の「待つ・待たない」の環の中に比企谷がいるわけないじゃん、ということが含意されており、由比ヶ浜はこの言葉によって比企谷への恋心を「なかったこと」にする。すでに詰んでいるので、その選択肢しか残されていない。由比ヶ浜は「うまくやれる」ので、これまでの募る思いを自ら全否定する「なにそれ、待たないよ」という言葉を平然と装いながらも述べることができる。

比企谷の「だな。なんか気持ち悪いこと言ったわ」は天然である。比企谷は由比ヶ浜の「なにそれ、待たないよ」を信じ切っているとみなして良いかもしれない。比企谷は「言葉を疑う」と言いながらも、由比ヶ浜の言葉には信頼して従う行動様式があるように思える。比企谷は由比ヶ浜を奉仕部という呪縛から解くための誠意を念の為に伝えたが、言うまでもないことだったなと思って「だな。なんか気持ち悪いこと言ったわ」と「自身の不明を恥じ」(原作14巻、P341)た。

比企谷は何も気付いていない。由比ヶ浜の恋心にも気付いていない。由比ヶ浜が失恋したことにも気付いていない。由比ヶ浜が恋心を自ら封じ込めたことにも気付いていない。まして、「また学校でね」「ああ、またな」と何事もなかったかのように友人としての関係がこのまま続いていく、と比企谷は当たり前のように思っている。

つまり、由比ヶ浜は振られていない。従って、比企谷との恋愛関係において望みが残されていると言える。

 
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